佐倉しらい動物病院ブログ

【獣医師監修】ペットの内分泌疾患について

はじめに

この記事では、ペットの内分泌疾患について簡単に紹介させていただきます。

内分泌疾患というのは、ホルモンの異常の病気を指します。

内分泌疾患は、ほとんど多くの場合、ホルモンが多いか、少ないかというどちらかの異常に分けられます。

よく遭遇するホルモンの疾患

通常病院でよく診断する異常をきたすホルモンとして

  • ・副腎皮質ホルモン
  • ・甲状腺ホルモン
  • ・上皮小体ホルモン
  • ・アルドステロン
  • ・インスリン

などがあげられます。

それぞれホルモンが多すぎる場合と少なすぎるときの病名があり、例として甲状腺ホルモンの場合には、機能が亢進してしまう甲状腺機能亢進症があったり(そのままの病名ですが)、低下してしまう甲状腺機能低下症などがあります。

それぞれの疾患により、猫に多い、犬に多い、大型犬に多い、小型犬に多い、雌に多い、遺伝的に発生する、生活習慣によって発生率が上がる、ほかの病気の治療中に起こることがあるなど、発生状況や疫学が異なります。

内分泌(ホルモン)疾患の検査について

ホルモンというのは一日の中でも変動をしたり、そしてほかの病気にかかった時にそのあおりを受けてホルモンも毎時変動しています。

そのため、内分泌疾患の診断は、体のその他の体調をよく観察してから行う必要があります。

内分泌疾患は多くの場合、診断が下った場合には生涯にわたって投薬が必要だったり、大きな手術を受けるなどの治療が待っているので、内分泌疾患を正しく診断をすることは、難しくもあり、非常に重要なことでもあります。

また、疾患によって、典型的な症状を呈することもあれば、あまり特異的ではない症状だが、なんだか体調が悪そうなど、病院に連れていくべきか迷う程度の症状のこともあります。

中には、半年ほど不定愁訴のような症状を呈し、入退院を繰り返した末に、診断につながるケースもあります。

繰り返しになりますが、内分泌系というのは生きている間は絶対に稼働している体内の伝達システムなので、いろいろな臓器とかかわりあっています。

多くの内分泌疾患はホルモンの刺激試験を行うことによって、刺激の前と後のホルモン値を比較したりして検査を実施するため、診断に必要な主な検査は血液検査になりますが、中にはレントゲン検査や超音波検査などの画像診断が必要になるケースもあります。

ご家庭でペットを観察していてご家族から内分泌疾患を疑うことは困難だと思いますので、体調不良が続くなと感じたときには様子を見ずに病院を受診してあげましょう。

【当院における代表的な内分泌疾患の診療実績】

ミニチュアダックスフントのクッシング症候群

猫の甲状腺機能亢進症

水を飲む量が変わった、食欲がおかしい、脱毛が治らない

こういった症状での来院が多く認められます。

治りにくい病気と感じた場合には、内分泌疾患の疑いもありますので、お気軽にご相談ください。

千葉県佐倉市の志津・佐倉しらい動物病院

著者プロフィール

白井顕治(しらい けんじ)副院長

獣医師、医学博士、日本動物病院協会(JAHA)内科認定医・総合臨床認定医

千葉県で代々続く獣医師の家系に生まれ、動物に囲まれて育って、獣医師になりました。「不安をなくす診療」を心がけて診療にあたるとともに、学会参加や後継の育成を行っています。

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